ユーザーイリュージョン 第6章

意識の帯域幅について

キュプフミュラーは意識の情報処理能力をまとめた ... 声を出して1ページを読むのに2分半かかる。平均して毎秒16文字だ。一文字は平均2ビットなので、これは32ビット毎秒に相当する。声を出して読むと、文字だけより必然的に情報量が多くなる。そこで、リズムやイントネーション、声の高さなどを考慮に入れたビット数まで合計すると、ピアースが提示した40ビット毎秒に近い数値に到達する ... キュプフミュラーはこれらの数値に関して次のように結論している。「メッセージの処理に関わる人体のメカニズムはどれも、50ビット毎秒という上限を設定されているように思われる」

われわれの感覚器官は毎秒1100万ビットの情報を取り込んでいるのに対して、我々の意識に届く経験には毎秒10~30ビット程度の情報しか含まれていない。