2014-01-01から1年間の記事一覧

脳とニューロンの科学 前半

脳とニューロンの科学作者: 新井康允出版社/メーカー: 裳華房発売日: 2000/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見るとりあえず前半をさらって知識の確認。chap1-9。視床とか基底核とか小脳とか脳幹とかの解剖に弱すぎる。一回時間をかけて確認しないと…

視床フィルター機能不全仮説(Carlsson) 豊嶋良一 - 精神疾患100の仮説

視床は感覚情報を大脳皮質へ送る際のフィルターの機能を果たしている。また、大脳から基底核へのグルタミン酸伝達は基底核ニューロンを興奮させ、これが視床への抑制性の信号を伝え、視床のフィルターが閉じられる。不必要な感覚情報はこのようにして皮質へ…

ピネル バイオサイコロジー

11/25-12/20で読了。18章。8割方知ってた。ピネル バイオサイコロジー―脳 心と行動の神経科学作者: ジョンピネル,John P.J. Pinel,佐藤敬,泉井亮,若林孝一,飛鳥井望出版社/メーカー: 西村書店発売日: 2005/06/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この…

3D reconstruction of dendritic shaft

fiji-TrakEMを用いて電顕のimage sequenceからshaftの一部を3D reconstruction。マシンスペック的に限界。なのでスパインらしいスパインは追えず。ちょっとfilopodiaっぽいのがあり。オートでトラックできないものか。

自閉症スペクトラムとは何か: ひとの「関わり」の謎に挑む (ちくま新書)

読了。自閉症の社会的理解についてとか。「違い」と「個性」とか。あんまり得るものなし。

ソーシャルブレインズ入門

ソーシャルブレインズについて。ネットワークから切り離された個別の脳研究からネットワークの中の相互作用の中における脳研究へ。2章の同期性と自他境界については自分のアイデアと合致していた。SRシステムの、視覚と体性感覚の同期性と没入感ってのはこ…

Mg2+ block of Drosophila NMDA receptors is required for long-term memory formation and CREB-dependent gene expression.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22681692“Mg2+ブロック部位”のAspをGluに置換しMg2+ブロックが消失したtransgenic drosophilaを作製したところ長期記憶が阻害されていた.Mg2+ブロックはCREBに依存して長期記憶遺伝子発現のために必要だった.定常状態…

自己鏡映像認知への温故知新 動物心理学研究 Vol. 62 (2012) No. 1 p. 111-124

https://www.jstage.jst.go.jp/article/janip/62/1/62_62.1.9/_article/-char/ja/ 自己鏡映像認知の存在証明に用いられる検証法には、自己指向性行動が出現するか否かと、マークテストにパスするかの2つがある。これまでに自己鏡映像認知が確認されたのは6種…

Arc/Arg3.1 is a postsynaptic mediator of activity-dependent synapse elimination in the developing cerebellum.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23791196 神経活動依存的にシナプスの刈り込みが行われるが、分子メカニズムは不明だった。今回P/Q型電位依存性Caチャネルとその下流で機能するArcが刈り込みに必要であることがわかった。 延髄と小脳の共培養標本のプル…

Periodic Organization of a Major Subtype of Pyramidal Neurons in Neocortical Layer V.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22171052 マウスの大脳皮質において神経細胞の配列に規則性があるか調べた。id2を染色したところ、皮質下投射細胞が数個から十数個並んで柱状のクラスターを形成し、これが約30um間隔で多数平行して並んでいることがわか…

LINKED : The new science of network 第九章

scale-free networkでは、冪指数が3より小さい場合には臨界の閾値が消えてなくなることが分かったのである。しかも驚くべき事に、インターネットから細胞まで、興味深いネットワークはほとんどどれもスケールフリーで、冪指数は3より小さいのだ。つまりこれ…

LINKED : The new science of network

読了。前回の読了後、何度も読み返したいと思ったが、二回目はあまり得るものがなかった。スケールフリー性の概観といったところ。物足りないので次はバーストを読もうか。

LINKED : The new science of network 第八章

scale-free modelでは新しいnodeがK個のリンクをもつnodeにリンクする確率は、K/ΣiKiで与えられる。適応度モデルでは各nodeはさらに別の特性である適応度ηをもつ。新しいnodeが、リンク数K、適応度ηのnodeに連結する確率は、Kη/ΣiKiηiである。どちらの式も、…

カラム構造いろいろ

神経回路のカラム構造は入力依存的に編成される。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18657180 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18977732 カラム構造が自己組織化的に生じる可能性をシミュレーションで示した。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27…

Oscillatory control of factors determining multipotency and fate in mouse neural progenitors.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24179156 http://imayoshi.web.fc2.com/Itaru_Imayoshi_Ph.D./Neural_Stem_Cells.html 神経幹細胞の自己複製と分化はbHLH型転写因子により制御されている。Hes1がAstrocyte、Ascl1はNeuron、Olig2はOligodendrocyteへの…

だまされる脳

読了。慣れないVRの話なので読みにくく時間がかかった。 聴覚器はフーリエ解析を行っている。蝸牛の基底膜は幅の違いによって周波数の異なる音波に対応しており、聴神経がそれぞれをコーディングしている。 両耳間時間差の検出器。左右から同時に入力があっ…

Lynx1, a cholinergic brake, limits plasticity in adult visual cortex.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21071629 http://molecular-ethology.biochem.s.u-tokyo.ac.jp/neuro-seminar/ftp-box/1238.full.pdf 成体において可塑性を阻害する要因を探すために、トランスクリプトーム解析を行った。候補分子の一つであるLynx1は内…

Modulation of neuronal interactions through neuronal synchronization

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17569862 神経集団同士の情報コミュニケーションは特定のリズムの振動現象が同期することによって行われていると考えられている。特にγ帯域(30-100Hz)が重要であると考えられている。当論文では覚醒下のサル、ネコを用い…

Defective craniofacial development and brain function in a mouse model for depletion of intracellular inositol synthesis.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24554717リチウムはBP治療の中心的な役割を担うが、その作用メカニズムは未だ明らかにはなっていない。研究グループは遺伝的BPモデルマウスを作る事でその一端を明らかにした。 myo-inositolを生成するmyo-inositol mono…

赤池弘次先生からのメッセージ

創造性とは何か / 好きなことを徹底してやりぬけば、誰でも創造性を発揮できる

Operant conditioning of synaptic and spiking activity patterns in single hippocampal neurons.

動物は特定の行動に対して報酬が与えられることによって学習が成立する。これに対応させる形で、海馬の神経細胞活動を観察し、一定の入力がポストに見られた場合にのみ覚醒下の報酬系を刺激し両者の関係性を学習させた。行動と海馬神経細胞活動の関連性は薄…

A critical time window for dopamine actions on the structural plasticity of dendritic spines Animal behavior follows rewards

http://www.sciencemag.org/content/345/6204/1616.short http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20140926.pdf http://www.bm2.m.u-tokyo.ac.jp/Press2014.html 動物の行動は狭いtime-windowの中での報酬によって強化される。そのような報酬シグナ…

Inverse synaptic tagging of inactive synapses via dynamic interaction of Arc/Arg3.1 with CaMKIIβ.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22579289 革新的なConceptと極めて美しいStudyの積み重ねで完璧なストーリー。個体のデータは若干弱いが。 - PSDやDendriteに局在するArcはAMPARのエンドサイトーシスに関わることが分かっていたが、どのようにシナプス…

An expanded palette of genetically encoded Ca²⁺ indicators.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21903779エラー誘発PCR法を用いて改良型Caセンサー、G-GECOを開発した。シグナル変化率は2600%で、さらにはB-GECO、R-GECOも開発した。さらに蛍光が緑から青に変わるGEM-GECOを開発し、そのB/Gの変化率は11000%であった…

PGO波と夢

ジュベーらは、ネコの大脳皮質・小脳・間脳を取り除いてもREM睡眠が消えないことを示した。このような手術を受けたネコは睡眠と覚醒を繰り返し、レム睡眠の特徴である急速眼球運動・PGO波・筋肉の緊張低下などを伴う睡眠が周期的に出現した。こういったレム…

Deformation of attractor landscape via cholinergic presynaptic modulations: A computational study using a phase neuron model

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23326520 “記憶の想起”には意識的な想起だけでなく、意識せずに自律的にイメージが展開する有名なマルセル・プルーストの回想などが知られている。その中でも意識的な記憶の想起にどのような脳内機序が働いているのかは…

Imaging of Neural Ensembles for the Retrieval of Learned Behavioral Programs.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23684786大脳皮質−基底核回路に学習されたプログラムの読み出しがどのように行われるのかをCaイメージングによって可視化した。GCaMPをゼブラフィッシュに導入し、赤ライトの後に電気ショックを与えることで回避行動を学…

Impaired feedback regulation of XBP1 as a genetic risk factor for bipolar disorder.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12949534 血液から培養した細胞を用いて、DNAマイクロアレイで不一致な一卵性双生児ペア(一方のみBP発症)の遺伝子発現を比較した。BPの連鎖部位として知られる22q12にあるXBP1遺伝子とその発現を誘導するGRP78(いずれ…

神経活動はデジタル信号か?

APが二値的な状態をとりうることによって神経活動はbinaryな情報伝達であるという。しかし活動電位は連続的に変化する膜電位の動きであり(上図)、ある瞬間における神経細胞の状態は0と1の2値において表現できるものではない。この点において神経活動の状態を…

聾患者の意識は健常者のそれとシステム的に同型か?

還元主義は意識の問題を解決しうるか。視覚意識や聴覚意識などのような特定modality毎に分解された意識というものは存在するか。(あるいは視覚的awarenessなどは存在しうるか。しかしawarenessはまた別の問題。) 仮にmodality毎に分解された意識があると仮…