2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

A critical time window for dopamine actions on the structural plasticity of dendritic spines Animal behavior follows rewards

http://www.sciencemag.org/content/345/6204/1616.short http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20140926.pdf http://www.bm2.m.u-tokyo.ac.jp/Press2014.html 動物の行動は狭いtime-windowの中での報酬によって強化される。そのような報酬シグナ…

Inverse synaptic tagging of inactive synapses via dynamic interaction of Arc/Arg3.1 with CaMKIIβ.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22579289 革新的なConceptと極めて美しいStudyの積み重ねで完璧なストーリー。個体のデータは若干弱いが。 - PSDやDendriteに局在するArcはAMPARのエンドサイトーシスに関わることが分かっていたが、どのようにシナプス…

An expanded palette of genetically encoded Ca²⁺ indicators.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21903779エラー誘発PCR法を用いて改良型Caセンサー、G-GECOを開発した。シグナル変化率は2600%で、さらにはB-GECO、R-GECOも開発した。さらに蛍光が緑から青に変わるGEM-GECOを開発し、そのB/Gの変化率は11000%であった…

PGO波と夢

ジュベーらは、ネコの大脳皮質・小脳・間脳を取り除いてもREM睡眠が消えないことを示した。このような手術を受けたネコは睡眠と覚醒を繰り返し、レム睡眠の特徴である急速眼球運動・PGO波・筋肉の緊張低下などを伴う睡眠が周期的に出現した。こういったレム…

Deformation of attractor landscape via cholinergic presynaptic modulations: A computational study using a phase neuron model

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23326520 “記憶の想起”には意識的な想起だけでなく、意識せずに自律的にイメージが展開する有名なマルセル・プルーストの回想などが知られている。その中でも意識的な記憶の想起にどのような脳内機序が働いているのかは…

Imaging of Neural Ensembles for the Retrieval of Learned Behavioral Programs.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23684786大脳皮質−基底核回路に学習されたプログラムの読み出しがどのように行われるのかをCaイメージングによって可視化した。GCaMPをゼブラフィッシュに導入し、赤ライトの後に電気ショックを与えることで回避行動を学…

Impaired feedback regulation of XBP1 as a genetic risk factor for bipolar disorder.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12949534 血液から培養した細胞を用いて、DNAマイクロアレイで不一致な一卵性双生児ペア(一方のみBP発症)の遺伝子発現を比較した。BPの連鎖部位として知られる22q12にあるXBP1遺伝子とその発現を誘導するGRP78(いずれ…

神経活動はデジタル信号か?

APが二値的な状態をとりうることによって神経活動はbinaryな情報伝達であるという。しかし活動電位は連続的に変化する膜電位の動きであり(上図)、ある瞬間における神経細胞の状態は0と1の2値において表現できるものではない。この点において神経活動の状態を…

聾患者の意識は健常者のそれとシステム的に同型か?

還元主義は意識の問題を解決しうるか。視覚意識や聴覚意識などのような特定modality毎に分解された意識というものは存在するか。(あるいは視覚的awarenessなどは存在しうるか。しかしawarenessはまた別の問題。) 仮にmodality毎に分解された意識があると仮…

Conserved properties of dendritic trees in four cortical interneuron subtypes

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22355608大脳皮質の非錐体細胞4種類(Martinotti, FS, Double bouquet, large basket)についてその樹状突起の構造を電子顕微鏡を用いて詳細に観察し、3D立体再構築を行った。その結果樹状突起の形状にはいくつかの普遍的…

High-speed molecular spectral imaging of tissue with stimulated Raman scattering

誘導ラマン(Stimulated Raman scattering, SRS)顕微鏡を用いて、染色なく3次元分解能をもって生体資料を観察することが可能であった。これは生体分子の分子振動に由来するラマン効果をとらえ、生体をリアルタイムに観察する技術である。しかし従来のSRS顕微…

The corpus callosum of Albert Einstein‘s brain: another clue to his high intelligence?

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24065724 アインシュタインの脳梁は太く、これが両大脳皮質間の情報通信を促進しており、アインシュタインの高知能性はここからくるものであると考えられると報告された。

Remodeling of dendrites and spines in the C1q knockout model of genetic epilepsy.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23621154 補体C1qのKOマウスについてそのシナプスやdendriteの構造を調べた。C1qによってシナプスを標識し刈り込む機能が欠損しているため、シナプスdensityは増えdendriteの長さや分岐は大きくなった。シナプスは特にth…

Adaptive Response of a Gene Network to Environmental Changes by Fitness-Induced Attractor Selection

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17183678細胞は環境に応じてその遺伝子発現パターンを変化させる。しかし無限に存在する外的環境に対して一対一対応にsignal transduction machineriesを有することは非合理的である。そこでattractor選択により細胞が外…

Light sheet-excited spontaneous Raman imaging of a living fish by optical sectioning in a wide field Raman microscope

http://www.opticsinfobase.org/oe/abstract.cfm?uri=oe-20-15-16195通常イメージングには蛍光法など標識による可視化が必要。しかし標識によりナイーブな分子の動きが失われること、脂質や糖などの低分子の標識が難しいこと、などの欠点がある。無染色・無…

計算機と脳 John von Neumann

読了。読みにくい。プログラムを実行し計算のできる媒体とはどのようなものか。ニューロンとプロセッサの素子としての違い。

Selective control of inhibitory synapse development by Slitrk3-PTPδ trans-synaptic interaction.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22286174 6種のSLITRKを発現させた非神経細胞と神経細胞を共培養した。SLITRKを発現させた細胞に対して、神経細胞がシナプス様構造を作った。excとinhのマーカーを調べると、SLITRK3以外を発現させた非神経細胞は、exc,i…

Microglia: new roles for the synaptic stripper.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23312512 microgliaは通常休止状態にあるが、病理的なイベントによって活性化されsynapseとコンタクトし機能障害を起こしているsynapseを除去する。これをsynaptic strippingと呼ぶ。microgliaは脳の正常な機能遂行に必…

Impaired hippocampal ripple-associated replay in a mouse model of schizophrenia.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24139046 SzモデルとしてCN-KOマウスを用いた。*1迷路テストを行い、電気生理学的に神経細胞の活動を調べた。cntlマウスでは休息状態の時に直前の迷路テストの再生を行うが、CN-KOマウスでは順序立てた情報の再生はなく…

イメージング質量顕微鏡 iMScope

http://www.shimadzu.co.jp/news/press/n00kbc00000012of.html 光学顕微鏡と質量分析計を融合した分析計測機器、イメージング質量顕微鏡「iMScope」。高収束レーザ光学系と高精度な試料移動システムにより5um以下の解像度で生体試料の質量分析画像を取得し、分…

Cytokines and schizophrenia: Microglia hypothesis of schizophrenia.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19579286Szの原因はわかっていないが、pro-inflammatory cytokinesがserum中で上昇することなどから炎症が一因として考えられている。traumaやinfectionなどのイベントによってLPSやIFN-γなどのpro-inflammatory agentが…

Real-Time Visualization of Neuronal Activity during Perception

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23375894 改良型GCaMPをゼブラフィッシュに導入。ゾウリムシの動きがゼブラフィッシュの視覚野上に反映される様を可視化。視覚地図の可視化。

Disrupted cortical function underlies behavior dysfunction due to social isolation.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22706303 ネグレクトが脳に与える影響の分子細胞メカニズムを動物モデルで解明。境界性人格障害BPDは全人口の1-2%が罹患し、主に養育期の環境(主に母子関係)に起因する。モデル動物を社会的隔離環境に置くと、体性感覚…

ユーザーイリュージョン 第15章

一連の画像が、個々の像ではなく連続した動きに見えるためには、必要な画像の数にかなりはっきりとした下限がある。一秒あたりおよそ18コマだ。聴覚についても同様の事が言え、一連のパルスが連続した音として聞こえるためには、一秒あたり少なくとも16パル…

ユーザーイリュージョン 読了

終盤の哲学など観念的な話は面白くなかった。序盤の情報や熱力学の話は苦手なので分かりにくかった。前半部から意識の部分までは読み返しても良いかもしれない。

ユーザーイリュージョン 第14章

グレゴリー・チャインティンはゲーデルの定理をアルゴリズム情報理論に発展させた。そのおかげで創発はどんな閉鎖系でもごく普通の属性であることが証明された...「この「全体は部分の総和以上のものである」という言葉は、構造をもつすべての系Sに当てはま…

Response variance in functional maps: Neural Darwinism revisited

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23874733 http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/research/report/2013/0711_ja.html今回、神経細胞の多様化と自然選択により脳が効率的な情報処理能力を獲得するという「神経ダーウィニズム仮説」を証明した。これまで機能マ…

意識の時間的広がりについて 続き

視覚や聴覚の入力がフレーム毎の非連続入力でも、内部の神経活動が連続なものであれば、外部入力はこのネットワークステイトを修飾するだけで、これらが統合された結果は連続なものになるのではないか。そうであればフレームごとの入力と意識の時間的広がり…

脳の数理モデル

1.現象をコンパクトに記述する記述的モデル 2.現象を説明するために神経機構のメカニズムをモデル化する機械的モデル 3.数理的原理に基づいて神経機構のはたらきを理解・解釈する解釈的モデル (Dayan & Abbott, 2005)

双極性障害の有病率

双極性障害は我が国の統計では生涯有病率が双極Ⅰ型障害で0.4%、Ⅱ型障害で0.2% (Kawakami N 2005) 代表的な米国の教科書(Kaplan and Sadock 2009)では双極スペクトラム障害の生涯有病率は2.7~7.8%