Selective control of inhibitory synapse development by Slitrk3-PTPδ trans-synaptic interaction.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22286174


6種のSLITRKを発現させた非神経細胞神経細胞を共培養した。SLITRKを発現させた細胞に対して、神経細胞シナプス様構造を作った。excとinhのマーカーを調べると、SLITRK3以外を発現させた非神経細胞は、exc,inh両方を同程度に誘導するのに対して、SLITRK3を発現させた非神経細胞は、inhだけを強く誘導した。SLITRK3はinhのpostにある足場タンパクGephyrinと共在し、excのpostにあるPSD95とは共在しなかった。さらに培養神経細胞でSLITRK3の発現を減少させると、Gephyrin陽性のinhが減少したがPSD95陽性のexcは変化しなかった。つまりSLITRK3はinhを誘導し、postのGephyrinと共在していた。シナプスの結合に関与する分子群とSLITRK3が結合するかを検討した。その結果PTPRDがSLITRK3と結合した。PTPRDはpreに分布しており、神経細胞でPTPRDの発現を減少させるとSLITRK3を発現させた非神経細胞と混合培養しても、inhが形成されにくくなった。SLITRK3はPTPRDと結合して、inhのpreの構造を誘導すると考えられる。次にSLITRK3欠損マウスのシナプス異常を調べた。すると海馬錐体細胞の細胞体周囲でinhのマーカーが減少していた。そこでSLITRK3欠損マウスの海馬切片でシナプス活動を調べると、inhの活動が減少しexcの活動には変化がなかった。つまりSLITRK3欠損マウスでは、inhが減少した。SLITRK3欠損マウスはてんかん様行動を示した。脳波を調べると振幅の大きい異常波が頻繁に観察された。これはinh減少による神経過活動によるものだと考えられる。


脳におけるexc/inhバランスを制御する分子群の発見。postでのSLITRKのクラスターがinhのプレを誘導する?SLITRKがPTPRDを誘導する際、何がmediateするのか。何か分泌物質などあるか?microgliaやastrocyteの関与は?