Operant conditioning of synaptic and spiking activity patterns in single hippocampal neurons.

動物は特定の行動に対して報酬が与えられることによって学習が成立する。これに対応させる形で、海馬の神経細胞活動を観察し、一定の入力がポストに見られた場合にのみ覚醒下の報酬系を刺激し両者の関係性を学習させた。行動と海馬神経細胞活動の関連性は薄い。まず、パッチクランプを用いてポストへの興奮性・抑制性の入力および発火活動をモニタリングした。これをリアルタイムで解析し、一定の強さの入力が入ったときにのみ外側視床下部ニューロンを刺激した。15分以内に学習は成立した。これは神経活動を全体的に高めているのではなく、学習が行われた神経活動のみを活性化していた。一方、抑制性の神経活動に対する頻度の変化は見られなかった。すなわちマウスは興奮性細胞の神経活動のみを制御できた。また、二つの神経細胞から同時に記録を取り、一方のバースト発火のみに報酬を与えたところ、選択的に学習が成立した。さらに、バースト発火が一定期間おこらない事に対して報酬刺激を与えると、バースト発火は減少した。ちなみに麻酔下では学習は行われなかった。ここで、NMDARを阻害すると学習は成立しなかった。つぎにDopa-D1Rを阻害すると学習が行われなかった。したがってNMDARとD1Rが学習の成立に関与する事が分かった。ドパミンはモチベーションに関係が深く、「やる気」の存在が学習の成立に重要であるという事がわかった。うつ病モデルマウスを用いて実験するとバースト発火は増えなかった。これに抗うつ薬を投与するとバースト発火は増えなかった。


GluやCa、Dopaらの相互作用メカニズムはどうなっているのか。海馬と外側視床下部の神経回路はどこで交叉しているのか。SSRI(Fluoxetine)のどういうセロトニン作用が報酬系に作用しているのか。どこで。バーストの条件付け・非条件付けのデータ、抗うつ薬のデータはばら付き大きく差が小さい。