Translocation of calmodulin to the nucleus supports CREB phosphorylation in hippocampal neurons.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9515967

  • Intro
    • 転写因子CREBのリン酸化は記憶の成立において重要である。CREBは核内にてCaMKIVによるリン酸化を受ける。局所的なCa上昇を引き起こす神経活動が、その情報をどのようにしてシナプスから核へと伝達されるのかわかっていない。
  • Abstract
    • 活動依存的にCaMが核移行する。このイベントのCa sourceはL-type Ca-ChとNMDARであり、酵素反応現象である。CaMの核移行とCREBのリン酸化は相関しており、CaMによるCaMKIV活性化がCREBリン酸化を引き起こすと考えられる。
  • Results
    • highK刺激によってCaMKは核移行しないがCaMは核移行する。CaMの核移行とCREBのリン酸化はよく相関している。他のCa-binding proteinは核移行しない。
    • Nimodipine,w-Conotoxin-GVIA,AgaIVA,AP5を用いた薬理実験。CaM translocationはL-type Ca-ChとNMDAR由来のCaに駆動される現象。N-type Ca-ChやP/Q-type Ca-Chは関係無い。AgaIVA(P-type Ca-ch)のCa-block効果がでかい。
    • pCREBに関しても同様の薬理実験。CREBリン酸化もL-type Ca-ChとNMDAR由来のCaに駆動される現象。nuclear CaMとpCREBはとても強く相関するし、blockadeによっていずれも減少する。ForskolinによってpCREBは上昇するが、CaMは相関しない。cAMPによるCREBリン酸化はCaMとは独立の現象。
    • chillingによってCaM translocationもCREBリン酸化も阻害される。これらは酵素反応。2hrの単位でCaMは核外に排出される。最初の神経入力の影響のtime-windowは2hr?ForskolinによるCREBリン酸化はchillingによって阻害されない。つまりPKA核移行は非酵素反応、受動拡散。nCaMBPによってCaMをblockするとpCREBが現象。これがCREBとCaMの因果関係をもっとも強く示唆している。
  • Discussion
    1. Fig1。刺激前後のCaMの量が明らかに変わっている。total volumeは変化しないでしょうよ。仮に遺伝子発現がinduceされたとしても3minで変化しないでしょうよ。aのパネルで刺激前CaMは核にいるように見える。bのパネルでは枝にいるように見える。そもそも刺激前の発現量少なすぎ、本当か?IRがx2.5となっているが、ICRデータからはもっと大きく見える。一方ウエスタンのデータは変化少なすぎ。元からnuclear fraction多いし、刺激後そんなに増えてない。Fig1はKey dataなのに怪しさ満点。
    2. Fig2。なぜ刺激なしのCaMの染色像を出していない?不自然。AP5/AgaIVAのCa-block効果がでかい理由がよくわからない。
    3. Fig3。だいたいCaM translocationとpCREBは相関してる。この辺は疑問なし。FPL64176(direct activator of L-type channel activity)とBay K8644(Ca channel agonist)を知らなかった。
    4. Fig4。冷やすと反応が起きなかったということ。それでも上がってるのは、受動拡散?CaMの核外排出は受動拡散?そのように見える。exponential。PKAは受動拡散なんだって。それで5minかかるのは本当か?(FIg3d)
    5. Fig5。20mMK+と90mMK+の違いは何?nCaMBPの阻害効果はあるが、完全でないのは他の酵素が走っているから?
    6. 最後までCaMとpCREBは「相関」だけ。直接の因果関係を示していない。CaMKIVの活性化にはCaM結合とリン酸化が必要だが、後者には触れず。CaM結合のみでCaMKIVが活性化する証拠もない。試験管内で混ぜれば証明できたのでは。


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