ユーザーイリュージョン 第14章

グレゴリー・チャインティンはゲーデルの定理をアルゴリズム情報理論に発展させた。そのおかげで創発はどんな閉鎖系でもごく普通の属性であることが証明された...「この「全体は部分の総和以上のものである」という言葉は、構造をもつすべての系Sに当てはまる。それが生命系であろうが非生命系であろうが関係ない」...「量の増加は質の変化を生む」というのは概して正しい

意識もまた、個々の法則や構成部分をそれぞれ別個に見る事では推論も理解も出来ない特徴が現れるという、同じ要因に満ちた現象だ。ダグラス・ホフスタッターは「ゲーデルエッシャー・バッハ」の中で次のように書いている。「ゲーデルの証明が提起する概念によれば、ある系を眺める時、高い次元は、低い次元ではまったく考えられないような説明能力を持ちうる」