Response variance in functional maps: Neural Darwinism revisited

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23874733
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/research/report/2013/0711_ja.html

今回、神経細胞の多様化と自然選択により脳が効率的な情報処理能力を獲得するという「神経ダーウィニズム仮説」を証明した。これまで機能マップの面積については2つの仮説が考えられていた。第一の仮説は、重要な情報の表現は必要以上に多くの神経細胞が冗長的に動員されることで頑健な情報表現を実現している可能性。第二の仮説は、 機能マップの面積が神経細胞の多様性を反映している可能性。今回、神経細胞の反応特性の多様性が機能マップ上の面積と密接に関係することを発見した。機能マップ上で広い面積を占める部位では 反応特性は多様性を示し、機能マップ上の狭い部位では画一的な細胞が多かった。ラットに音に関わる学習をさせたところ、機能マップの面積が変化し、それに伴い神経細胞の多様性も変わることを示した。学習途上では聴覚野で音に反応する神経細胞が増え、それに伴い細胞集団の多様性も増加した。一方、 学習終盤では音に反応する神経細胞が減り、その多様性も減じました。これらの結果から、脳にとっての学習とは、多くの神経細胞を情報処理に参加させて、神経活動の多様性を増やすことで、 効率的に解を発見することであると示した。また、学習の効用とは、一旦解を発見した後、無駄な神経活動を排除することで効率的な情報処理を獲得することであることも示した。本研究では、神経活動と刺激音情報の間で相互情報量を計算しそれを利用して多様性を評価した。情報理論の観点から、 神経細胞の反応の特性を適切に定義できたことが重要。以上の結果から、機能マップの面積は神経細胞の多様性を反映しているという第二の仮説が正しいことが裏付けられた。


マップのないマウス視覚野のような場所ではどのようにして学習によるマップ変化を示すのか。
神経細胞がマップに取り込まれるメカニズム。シナプス形成によりループに取り込むのか。その場合近隣の細胞をランダムに取り込むのか。マップの精緻化の際に捨てられるニューロンはどういったものか。
神経細胞の多様性が生まれるしくみ。geneticな変化を学習に伴って起こす?