Deficiency of schnurri-2, an MHC enhancer binding protein, induces mild chronic inflammation in the brain and confers molecular, neuronal, and behavioral phenotypes related to schizophrenia.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23389689

  • Abstract
    • 炎症関連遺伝子であるSchnurri-2のKOの行動および形態解析、網羅的遺伝子発現解析、薬剤によるrescue、を行った。表現系がSzと非常に類似しており、抗精神病薬によるrescueも可能で、Szモデルマウスとしての妥当性が高かった。また抗炎症剤でも一部rescueが可能であった。
  • Results
    1. shn-2においてWMの低下やPPIの低下、過活動、巣作り行動の低下など、Sz様の行動異常がみられた。また、過活動とPPIについては抗精神病薬によるrescueができた。
    2. shn-2とヒトSzにおいて変動する遺伝子は良く類似しており、その変動の方向は強く相関していた。これらの遺伝子の中には炎症関連遺伝子などが多く見られた。
    3. mPFC・CA1においてPV+cellが減少。DGにおいてもGAD67が減少。DGの細胞数は増加していた。
    4. ArcのinductionがDGやPFCで落ちている。CAでは落ちていない。
    5. 皮質が薄くなっている。Neuroggerにてγ-bandの減少・θ-bandの増加が確認された。
    6. 網羅的遺伝子発現解析にてαCaMKII+/-との類似性が見られた。calbindin/calretininの発現より、iDGが確認される。電気生理学的なprofileも幼弱化している。
    7. agingやinjuryとの遺伝子発現解析。agingとよく相関する。また、炎症関連遺伝子の発現が上昇している。
    8. rolipramとibuprofenによるrescue。HalやClzに比べると弱い。炎症関連以外だと、WMやnestingが改善している。PPIは変化なし。
  • Discussion
    1. 巣作りはrescueできないのか。PPIのrescueはClzでやらないのか。
    2. 網羅的遺伝子解析に用いているサンプルはなぜmPFCなのか。iDGについて議論するのならせめてHippoでやるべきでは。脳バンクの都合か。
    3. DGのPV+cellはなぜ見ないのか。どうしてこれだけGAD67なのか。
    4. CAのみArcのinductionが悪いのはなぜか。この傾向はSNAP25-KIなどでも見られた。
    5. Neuroggerの信頼性。皮質の薄さはデータの見た目異常に顕著なようだ。
    6. SNAP25-KIやFLX-treatedとの比較は?Vrには異常が見られないようだ。比較している遺伝子は何を何種類みている?ここで見ている変動はrescueはできないのか。
    7. 炎症関連遺伝子がup-regulationしているのは当然では。
    8. drugの投与時期はいつからいつまでか。
  • ついでに
    • PVの落ち方がall or none的。落ちているものとそうでないものの間の違いとは何か。fail to matureなのかdematureなのか。Arcは全脳で落ちている。arcの局在によってシナプス伝達のS/N ratioが上昇する(Okuno et al)ならば、shn-2ではシナプス伝達のノイズが大きいのかもしれない。炎症関連遺伝子とcalretininのresuceには成功している。他の成熟マーカーやPV、Arcなどは薬剤でrescueできないのか。炎症モデルマウスなのに抗精神病薬で行動指標がかなりrescueできているのはすごい。Szの神経炎症仮説を強くsupportする結果。