Reading and doing arithmetic nonconsciously.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23150541 / http://labconscious.huji.ac.il/wp-content/uploads/2012/11/Sklar_etal_2012_PNAS_Reading_Math.pdf

計算や表象操作、複数の単語表現などの処理には意識が必要であると広く信じられている。我々はこれらが無意識下において可能であることを示した。Continuous Flas Supression (CFS) という方法を用いた。これは被験者の片目に10/secの動画を見せると、もう片方の目に映った静止画が0.7秒ほど見えなくなるというものである。この状態において簡単な数式を静止画として無意識下で見せた。次に意識上にてテストをすると、無意識下で数式を提示されていた場合他の数字が提示されたときより先に提示された正解の数字を答えるのが速かった。これは無意識下で提示された数式を解いた結果その数字に敏感に反応するためだという。ただしこの現象は引き算では観察されたが、足し算では確認されなかった。また数単語からなる文章を無意識下で提示した場合、ネガティブな意味を含む言葉や文法的に正しくない言葉を提示されたときの方が意識上での反応が速かった。

元来意識上で処理できる情報量よりも無意識下で処理できる情報量の方が圧倒的におおいことを考えると、とりわけstrikingなデータではない。問題は数学的計算や文法の誤りの訂正が意識上で行われるが、無意識下ではあまり行われないとされてきた理由である。そもそもどのような情報処理は無意識下でも実行可能であり、どのような情報処理は意識的処理を必要とするのか。それは意識というものの進化的な意味を問う問題である。