Modulation of neuronal interactions through neuronal synchronization

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17569862
神経集団同士の情報コミュニケーションは特定のリズムの振動現象が同期することによって行われていると考えられている。特にγ帯域(30-100Hz)が重要であると考えられている。当論文では覚醒下のサル、ネコを用いて実験している。採集したデータはmultiunit activity (MUA)、local field potential (LFP)。神経集団がどの周波数で位相をそろえているか調べたところ50-60Hzであった。この位相が揃う現象は同一領野内だけでなく、複数の領域間から計測された神経集団同士でも観察されることが分かった。また、この同期現象は外部からの入力によって喚起されるものではなく、同期する神経集団同士の相互作用の中から自己組織化的に現れてくることが分かった。つまり神経集団はγ帯域の位相を揃えながら、動的に相互作用しあうことで情報のコミュニケーションを行っているようである。
神経集団同士の機能的結合は非常に動的であり、その根底には解剖学的結合がある。またその相互作用はヘッブ的な可塑性変化を生じさせ、マッチした集団間での自己組織化によって結合が創発される。

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疑問。common inputの影響は本当に0か?MUALFPそのものの限界。データポイントに含まれる細胞のheterogeneityは無視?Singerらの人間を使ったデータからも神経活動の遠隔多領域間の同期現象が知られており、かつSz患者ではその同期現象が障害されていることも知られている(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20087360)。SzのNMDA仮説では局所のカラム間同期現象の障害についての説明がなされるが、今回の遠隔多領域間の振動同期現象が何によるものかわかれば、Szの原因究明の一端となる。
後の研究でSohalらによってγ-bandはFirst spiking PV+neuronからの入力によって作られるとの説が提唱された(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19396159)。一方でYizharらはPYRを刺激することでgannma-bandの活動を惹起できるとの報告もしている(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21796121)。結局のところγ帯域の振動同期現象が自己組織化的に創発されているのか、明らかにはなっていないように思う。

high-frequency oscillation synchronizationについて、followしておく。(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24174902 / http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23522036)