High-speed molecular spectral imaging of tissue with stimulated Raman scattering

誘導ラマン(Stimulated Raman scattering, SRS)顕微鏡を用いて、染色なく3次元分解能をもって生体資料を観察することが可能であった。これは生体分子の分子振動に由来するラマン効果をとらえ、生体をリアルタイムに観察する技術である。しかし従来のSRS顕微鏡ではレーザーの波長できまる特定周波数の分子振動しか検出できなかった。そのため生体組織の様々な分子のわずかな違いはわからなかった。
今回高速に波長を切り替えられるパルスレーザーを開発し、これを用いたビデオレートSRS顕微鏡を開発した。この顕微鏡は500x480ピクセルの画像を30.8flame/sec取得可能である。またフレームごとにレーザーの波長を変化させることで、短時間に様々な周波数の分子振動を検出できる。観察精嚢の高速性を活用し、動いているマウスの皮膚内部の構造を可視化できた。
誘導ラマン散乱(SRS):2色の光と分子の相互作用の一つ。2色の光の光周波数の差が、分子振動の共鳴周波数と一致したとき、短波長の光から長波長の光にエネルギーが移動する現象。



動く生体はどの程度まで観察可能か。観察可能な分子振動の範囲は。分解能はどのくらいか。細胞内部構造はどこまで見えるか?フレーム間のz軸方向の分解能化は。